【完】午後7時のシンデレラ
このしばしの沈黙に、わたしはゆっくりと動く。
やばい。
この猛獣たちが一気に動き出すと、誰も止められない。
いち早く教室の出入り口に達すると、廊下を走る。
運動靴代わりのスニーカーをひっつかみ、校庭へ出る。
後ろから「なお?!」と叫ぶ声が聞こえる。
「あ〜。久しぶり〜」
「久しぶり、じゃないですよっ。
なんでこんなところに...」
ゆっくりとした口調に、反対にわたしが焦る。
途端に学校全体が揺れ動く。
この音は...男子たちが階段を駆け下りる音だ!
振り返ると、もう靴箱に男子たちが現れ始めた。