【完】午後7時のシンデレラ



「藤井さん、やばいですっ。

猛獣たちに襲われてしまいます!」



「うん。わかってるよ」



「え」



彼女は綺麗に微笑むと、わたしの腕を掴んだ。



そのまま引きずるようにして歩くと、一台の車にたどり着く。



「え、これ...」


「ほら、乗って乗って」



促されて、恐る恐る車に乗る。



「あ。シートベルト締めてね」


「え? あ、はい」



彼女は隣に座り、きちんとシートベルトを締める。


それを確認すると、彼女は陽気に叫ぶ。



「じゃあ滝川[タキガワ]、レッツゴー!」



滝川?

気になってバックミラーを見る。


不機嫌そうな瞳と目が合う。


あのメガネ...マネージャーさん!


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