【完】午後7時のシンデレラ
「今日の実習は旋盤なー。回転してるやつに触るなよー」
削りすぎないように、指定された長さになるよう念入りに測定する。
頭の中でどのくらい削るかシミュレーションして、いざ切削へ移る。
このちょっとした火花...。
「キレー♡」
うっとりと火花を見つめる。
「機械の火花に見とれる女初めて見た」
「おまえ、やっぱ女じゃねーな」
クラスの男子に次々と彼らの理想女性について語られる。
「黙って。集中したいの」
そんな意見をぴしゃりとはね退け、また作業へと移る。
いいもん。
わたしは機械が好きなの。
自分の好きなことを極められるって本当に幸せなことだから。
男子なんかほっといて、黙々と作業に集中する。