【完】午後7時のシンデレラ
「震えながらも、誰かを助けるために果敢に挑む姿も。
ドライバー持って修理する姿も。
俺は全て、藤井 志保だって信じていた」
そうだ。
恭弥くんは藤井 志保だと思って、私に告白したんだ。
チクリと胸が痛む。
「でもさ、俺がこれを贈りたい相手って君なんだよ」
ふわっと髪に触れられ、右耳に少し冷たいものが当たった感触がする。
そっとその部分に手をやる。
指先の感覚だけでそれが星型だとわかった。
私、無くしたと思ってたのに...。
驚きの表情で彼を見つめる。
「その様子だと捨てられたわけじゃないんだね」
よかった、と微笑む。