【完】午後7時のシンデレラ
「俺が初めて撮りたいって思ったのは君だよ」
存在を確かめるように、彼は優しく私の頰を触れる。
「名前、聞いてもいい?」
彼の顔が少しだけ歪む。
涙腺が緩んで、歪んで見える。
「なお...松永、直」
こぼれそうな涙を拭おうと手を伸ばすも、軽やかに彼に絡めとられる。
「もう俺の前から消えないで」
そう小さく言うと少しずつ彼との距離が縮まる。
ゆっくり優しいキスが降る。
メニュー