【完】午後7時のシンデレラ
唇を離すと、一気に包み込むように体を抱きしめられる。
「すっげー会いたかった」
抱き締める腕に力がこもる。
私もちょっとだけ力を入れるも、かすかに鼻がある臭いを感じる。
この臭い...オイル!!
「あのっ、恭弥くんっ」
密着していた顔を少し離して口を開く。
「ん?」
「私、オイル臭いから...臭い移っちゃう...」
「ああ。確かに」
その短い言葉がぐさっと胸に突き刺さる。
やっぱりオイル臭い女なんて嫌だよね。
授業でオイルかぶった自分を恨む。