【完】午後7時のシンデレラ



昼休みになり、勇人や圭史に誘われてお昼を共にする。

パクッと口の中に放り込んだ焼きそばパン。

なんだか今日はいつもより美味しく感じる。



なぜなら切削が優秀だと褒めらたから。

だってクラスで一番だよ。実力を褒められ、気分は最高。



「なあっ、これ直に似てねえ?」

「む?」

再度焼きそばパンにかぶりついていると、隣にいた男子が雑誌を目の前にさし出した。


「えーっ、これ藤井 志保[フジイ シホ]じゃん!」


雑誌の中で、こちらに微笑む可愛い女の子。


ゆるく巻いた長い髪。

綺麗に微笑む口元は、歯並びの良い白い歯が覗いてる。

茶色の猫目がなんとも愛らしい。


確かに髪色は似てなくもない...。



「そんな、言い過ぎだよーっ」


モデルに似ていると言われて嫌な気持ちはしない。

口の中の焼きそばパンを飲み込み、似てると言ってくれた男の子に笑顔を向ける。


< 8 / 78 >

この作品をシェア

pagetop