【完】午後7時のシンデレラ
昼休みになり、勇人や圭史に誘われてお昼を共にする。
パクッと口の中に放り込んだ焼きそばパン。
なんだか今日はいつもより美味しく感じる。
なぜなら切削が優秀だと褒めらたから。
だってクラスで一番だよ。実力を褒められ、気分は最高。
「なあっ、これ直に似てねえ?」
「む?」
再度焼きそばパンにかぶりついていると、隣にいた男子が雑誌を目の前にさし出した。
「えーっ、これ藤井 志保[フジイ シホ]じゃん!」
雑誌の中で、こちらに微笑む可愛い女の子。
ゆるく巻いた長い髪。
綺麗に微笑む口元は、歯並びの良い白い歯が覗いてる。
茶色の猫目がなんとも愛らしい。
確かに髪色は似てなくもない...。
「そんな、言い過ぎだよーっ」
モデルに似ていると言われて嫌な気持ちはしない。
口の中の焼きそばパンを飲み込み、似てると言ってくれた男の子に笑顔を向ける。