簡単に言わないで!
あたしたちは
カラオケについた。
惠美は好きなひとの
横にはりついていた。
あたしは蓮の横で
ぼーっとしていた。
そうしたら、
「あんた名前は?」
「え…麻由。
あなたは??」
ワックスで
ツンツンの毛を
見ながらあたしは答えた。
「俺は蓮!
蓮って呼んで?
……麻由って呼んでいい?」
「うんっ…」
男子経験のないあたしは
ちょっと戸惑った
男子に名前で
呼ばれたことなんて…
いままでなかった。
「やったぁ♪
…なんかあいつら
いい感じだなっ!」
「そ、うだね」
「なにテンパってんの?」
ほほえみながら
蓮は聞いてきた。