意地悪な幼なじみが冷たい理由
アヤちゃんだけと言おうとして固まってしまった。


これを言って何になる?
『お前はただの幼なじみ』とか言われて気まずくなって、一生話せなくなる。

なんてことになるのは真っ平ごめんだ。




「なに?芙美は……?」


「う、ううん。なんでもない」


「へぇ、言ってくれないんだ」


意地悪に微笑む彼。


言わなきゃ、後が恐い。
言ったら私がショック死する……




「わ、私はっ……部長の付き添いですから」


今、私、笑えてるかな?

見抜かれてないかな?


凄く心臓がドクドクと鳴る。




「……あっそ」


「そ、そうだよ……。
安心して、私はアヤちゃんのこと好きにならないからっ」


嘘だよ、大好きだよ……



「……っ、なんだよ、それ」

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