青いブレスレット-Second-
「紗奈、ほんとに来るの?」

「え?」



学校からの帰り道、また水原くんがわたしに言った。



「どうして?いや?」

「そういうわけじゃないけど…」



水原くんは何か言いたそうな顔をしてる。

でも、なにも言わない。


…もしかして。



わたしみたいな彼女じゃ恥ずかしいとか……?



「あっ」


水原くんの携帯が鳴る。

電話みたいだ。



「紗奈、ちょっとごめん。………もしもし?あ、大輔??」


さっき同窓会の話をした、篠原くんみたいだ。


何の用事だろう。



「うん、今一緒に帰ってるけど………え?なんで?」


なんか電話でもめてる。

なんの話してるの?




「あーもー分かったから!少しだけな!………紗奈、ごめん」


「ん?なに?」


水原くんはすごい申し訳なさそうな顔をしている。


「大輔と中学のクラスメートが電話してきたんだけど、紗奈と少し話してみたいって。少しだけ、いい?」

「…えっ」



ほんの一瞬、なぜか順也くんと電話したときのことが頭をよぎって怖くなった。


でも、さすがにあんなことはもうないか……?




わたしは恐る恐る携帯を受け取った。

< 13 / 76 >

この作品をシェア

pagetop