青いブレスレット-Second-
「紗奈、5時くらいに迎えに行くから」

「うん、またあとでね!」



同窓会当日の金曜日、授業が終わって水原くんと帰って、別れた瞬間、わたしは家にダッシュした。



家に着いて自分の部屋に入るなり、机に鏡をセットして、メイクポーチを広げる。



あの日、雑貨屋でリーズナブルな化粧品をいくつか買って、自分の部屋でこっそりメイクの練習をしていた。


理香ちゃんに雑誌をもう少し借りてていいか聞くと、笑いながら、がんばれって言ってくれた。


アドバイスもいくつかもらった。




最初はアイラインは波線だし、マスカラはまぶたに付くしでめちゃくちゃだったメイクも、1週間真面目に練習しただけあって、雑誌のお手本そっくりにできるようになった。


鏡を見ると、ちょっと目がパッチリして、キラキラした自分がいる。



…嬉しい。




服は、少し短めのスカートを思い切って買ってみた。


普段は絶対はかないけど。




髪を念入りにとかして、前髪を小さな花がついたピンで留める。



最後に、舞華ちゃんが誕生日にくれたコロンをつけた。




鏡を見る。



…うん、十分頑張った!



ふわりと、コロンの甘い匂いがする。



これで、水原くんに似合う女の子って思ってもらえるかな……?


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