青いブレスレット-Second-
「そ、そういえばさ」

「ん?」


わたしからも何か質問してみようと、笑顔を作りながら聞いてみた。



「みんな下の名前で呼び合ってるけど、水原くんのことは苗字なんだねー!」


軽いノリで言ってみたけど、女の子たちは気まずそうな顔をした。


…なんか、やっちゃった?



「あ、あのね紗奈ちゃん、気を悪くしないでね?」

「え?な、なにが!?」


女の子の一人が言いにくそうに口を開いた。


「みんな、彼女たちに気を使って、下の名前で呼ばないようにしてたんだよ」



………そうだ。


そういえば七海ちゃん、水原くんのこと透って呼んでた。



自分で聞いたのに、勝手にショックを受けた。



「ちなみに、どっちが初めての彼女?」



だんだんわたしも自暴自棄になってくる。



「え?ああ、ひなのだよ」

「そうなんだ…。二人ともすごい可愛いよね。水原くんよく惚れなかったね」



ははは、と、乾いた笑いが出てくる。



「でもね紗奈ちゃん!」

!?

女の子の一人に肩を掴まれる。


わたしはビクッとした。



他の女の子たちもわたしの顔をじーっと見る。



「紗奈ちゃんはそんな水原が好きになった女の子なんだよ!だから自信持って!」

「…は、はい!」



わたしのことを、水原くんの彼女として認めてくれてる。


それがすごい嬉しかった。
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