青いブレスレット-Second-
ガラッ。



「あれー?紗奈ちゃん、大輔と一緒に帰ってきたよー」

「浮気だ浮気だ!」



酔った人たちが私たちを見て笑う。


かなりイラっとした。



「もーお前ら、その辺にしとけよー」


大輔くんが優しくなだめてくれた。



「透ほらー、彼女が浮気してるよ?」


七海ちゃんが水原くんに笑いながら言った。


水原くんは右側には七海ちゃん、左側にはひなのちゃんがいて、ガードされている。



…わたしが隣に座るのは、無理そう。



「馬鹿じゃねーの。てか、いい加減透ってやめろよ」


「えー透は透じゃん。ねーひなの」


「透ー透ー!」



…もしかしてこれ、わたしに対しての当てつけ………!?


わたしは水原くん呼びだから!?



すごい敗北感を感じた。




「二人とも、もう酔ってんの?」


大輔くんが声をかけると、二人がこっちを向く。


…顔が少し赤い。



「大丈夫大丈夫ー!ねー透」

「おい、離れろって」


七海ちゃんが水原くんの膝に頭を置いた。

今にも寝そう。



「さ、紗奈ちゃん、こっちおいで」



さっきの女の子たちが呼んでくれる。


わたしは水原くんを見ないようにして、大輔くんと女の子たちの方へ行った。



「あ!紗奈…」

「頭痛いー!ちょっとー!動かないでー!」


水原くんは立ち上がろうとしたけど、七海ちゃんに止められて立てなかったみたい。



「紗奈ちゃん、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ!」


女の子たちが心配そうに声をかけてくれる。


大丈夫なわけがない。


でも、ここで怒ったら器の狭い彼女だと思われそう…。



「紗奈ちゃんは立派だねー」

「わたしなら怒っちゃうよ!」



女の子たちが笑いながらほめてくれる。


…わたしだって怒ってるよ。
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