青いブレスレット-Second-
水原くんはうつむいて口を手で押さえている。
そういえば、水原くんはお酒弱いって言ってた…!
「水原くん!大丈夫!?」
水原くんの腕を軽く握って引っ張って、反応を確かめる。
「俺は大丈夫だから…。桜井、紗奈は抜けさせるからな」
「えっ!?」
驚くひなのちゃんをよそに、水原くんはわたしを部屋の端の方へ引っ張っていった。
そして、その場に座り込んだ。
「お前ら!一気飲みするならもう酒取り上げるからな!」
大輔くんが輪になってゲームしてる人たちに怒ってる。
みんなは渋々とゲームをやめた。
「水原くん、本当に大丈夫?お水飲む?」
水原くんの顔を覗き込む。
…あ、顔が赤い。
目がボーッとしてる。
どうしよう、わたしのせいで水原くんがお酒飲んで………。
「あーあ、透お酒弱いのに」
顔を上げると、ひなのちゃんがいた。
「紗奈ちゃんが早く飲まないから〜」
ひなのちゃんが笑う。
…たしかに、わたしが早く飲んでればよかったの………か?
「透、これ当てなよ」
ひなのちゃんが濡らしたタオルを水原くんの額に当てた。
…なんか、手馴れてる感が…。
「そういえば、去年もひなのが透の介抱してたよねー」
いつの間にか、七海ちゃんが隣に座っている。
「…そうなの?」
「うん、他の空き部屋でね」
…それって、二人きりでってこと……?
何も起きなかったの…?