青いブレスレット-Second-
サッカーボールを食らった時より、大きな衝撃を受けた感じがした。



元カノ………!?




「ごめん、嫌な気分にさせると思って。そんな長い期間じゃないけど、付き合ってた」

「…そうなんだ」



可愛い子だったな。


モテそう。



わたしとは、大違い………。




そっか、水原くんと付き合うような女の子って、本来ああいう子なのか。


そうか、そうだよね………。



しかも、名前で呼び捨てしてたな。


そっか、付き合ってるころ、きっと呼び捨てしてたんだ。





わたしは、久しぶりに沈んだ気分になった。


キレイになったって言われても、所詮こんなもんか…。




「ごめん、今嫌な気持ちになってるよね。そりゃそうだよ、俺もそうだったもん」

「え?」

「紗奈の元カレに会った時、すごい嫌な気持ちだった」



…あ。

そうだ、水原くんは中谷に会うと、いつも機嫌悪くなってたっけ。



「でもごめん、ちょっと嬉しいかも」


水原くんが困ったように笑う。



「なんで!?」


「だって、俺は紗奈の元カレに嫉妬してたから嫌な気持ちだったんだもん。紗奈も、嫉妬してくれてるんでしょ?」



…あ。


たしかに、わたしは七海ちゃんに嫉妬してる。



わたしは、水原くんの手をそっと握った。



「…!」



水原くんはビクッとしたけど、嬉しそうな顔をした。



「…帰ろ?」

「…うん」


水原くんが返事してくれる。


また、二人で歩き始めた。




水原くんがわたしのことを想ってくれているのはすごく伝わってくる。


わたしも水原くんが大好き。



学校でも公認カップルになれた。




でも………。




学校は広い世界のほんの一部でしかない。




わたしはちゃんと、水原くんと釣り合っているのかな……?
< 9 / 76 >

この作品をシェア

pagetop