これはとても、小さな恋。
「わ、悪りいって」


恥ずかしい…。


翠くんに好きなのバレたかもしれない。


坂山くんがあんなこと言うから…。



やだ。


翠くんの顔見れないよ。



「もーお前は。すぐ調子に乗るー…ほら、大丈夫かさあや」



私の肩に置かれた翠くんの手を、反射的に振り払ってしまった。



ぱしんと乾いた音が教室に響いた。



「さあや?どした?」



翠くんの顔が、よけい見れなくなった。



恥ずかしくて、そのせいで翠くんが気を遣ってくれた手を振り払った。



我ながらに最悪なシナリオだ。



「ご、ごめんなさい……!」




私は教室から飛び出した。


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