これが俺の生きる意味
「唯斗?」

その声は、思っているよりずっと近くから聞こえてきた。

「...へ?」

目の前には、希がいた。

そして、ふわりと優しく抱きしめられた。

「の、ぞみ...?」

「唯斗、ごめんね。

唯斗があの日あの時、どんな思いであそこに立っていたのか考えていたの。

怖かったでしょう?

知らなかったの、ごめんなさい。」

そう言って、俺の頬に希の涙が落ちてきた。

「怖かった...希が、死ぬんじゃないかと思った....」

希がいなくなることが、自分にとってこんなにも恐怖だなんて思わなかった。
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