203号室
そんなことあるわけないじゃない…
まったくガキなんだから…


「お腹をすい臓あたりからへそまで切られてて、そこから血がとられてるみたいなんですぅ…誰がこんなことするんですかねぇ…まさかぁっ…幽霊がぁ?!キャァーーッ!!」
「んなバカな事言ってないで、カルテ書いちゃなさい!!」
「…はぁーいぃ…」


すると私は何故か身震いした。こと風邪引いたのかな…と思っていると誰かの悲鳴と共にナースコールが響いた。
ナースコールが鳴ったのは203号室の大谷さんの病室からだった。


「うわぁぁぁぁああぁあっっっ!!!!!…香先輩っ…香先輩っ…!!大谷さんがっ…大谷さんがぁっ!!」

「和樹?!落ち着いて!!今行くから!!」
「どうしたの!?悲鳴があったけど?!」


この人は私の1つ上の先輩、井上美咲先輩だ。
息が上がっている。走ってきてくれたのだ。


「先輩!!大谷さんに何かあったみたいなんです!!和樹が悲鳴をあげてっ…」
「分かったわ、未早ちゃん、ベッドを用意して!緊急手術かもしれないわ!私は先生を呼んでくるから香ちゃんは大谷さんと和樹君の元に!」
「はい!!」
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