203号室

「でも・・今の段階ではまだ何も・・・」
「・・だよね、じゃあまた何かあったら
連絡してね・・」

先輩はそう言って、じゃあ、と
別れる。
・・・一様自分なりに調べてみるか・・・
でも、もし何かあったら・・自分が危ない・・
それでも・・患者さんの命が救えるなら、
看護士も本望よね?・・なぁんて・・

「綺麗事にしか聞こえないよ?・・香?」
「閨汰!何でここに?!」

この人は、浜崎閨汰。私の彼氏・・とっても
優しくてかっこよくて頼りになって・・
何より面白い。私には勿体無いくらい・・。

「いやー、最近香が元気なかったからさ・・
何かあったんじゃねーかって、心配でよ!」
「それは、嬉しいけど・・なんで私が思って
る事分かったの?」
「え?だって、声に出てたぞ!」

まじか・・・ヤバイな私。。

「んで、何かあったのか?」
「・・・ちょっとね・・・」
「やっぱり・・・今抜けられるか?」
「・・うん、大丈夫だと思う・・」

私達は、屋上に行く。
私は閨汰に全てあったことを
話した。

「そんな事があったのか?!・・酷いな・・」
「・・うん、血が天井に這っててさ・・まるで天井に
逃げてったようにね・・人間がやったんだって・・
思いたいけど・・・」
「それは人に出来ること・・なのか?」

閨汰に聞かれ、私は首を横に振る。
絶対に出来るわけ無い・・
あんな事・・・・出来るわけない・・・

「確かに、香の元気が無くなるわけだ」
「・・・」
「そんなに気にすんな!深く考えすぎんなよ?な?」

閨汰は、私の頭をクシャクシャっと撫でる。
何故か涙が出そうになった。
それをグっと堪える。
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