わたしの彼氏
──放課後──

「ごめん、麻結。
俺先生によびだされたっぽいから、
職員室に行ってくるけど。
ここで待ってる?」

「うん!もちろん!
帰ってくるまで待ってます!」

「わかった。
ここから絶対動くんじゃねえぞ。」

「うん!」

「んじゃ、行ってくる。」

「はぁーいっ!!」

由宇、先生に呼び出しって
どうしたんだろう。心配だなぁ(>_<)




「ねえねえ。麻結ちゃん」
突然誰かに話しかけられた。

「は、はい!?」

「ふふっ、覚えてる?昨日のこと。」

「覚えてるも何も
昨日私に話しかけた物好きの蓮さん。」

「物好きのってなに。笑
てか、蓮さんじゃなくて蓮でいいよ。」

「わかった。」

「ね、麻結ちゃん
もしかして彼氏待ってるの?」

「そう、ですけど…」
な、なぜそんな事を聞くの!?
この人は本当に物好きな人なんだな。

「麻結ちゃん。
俺麻結ちゃんのこと好きかも。」

「へっ!?な、何を仰るのですか!?」

「変な麻結ちゃん。笑
俺さ昨日麻結ちゃん見た時、
この人しかいない!絶対手に入れてみせ る!って思ったんだ。だから話しかけた。
そしたら次の日転校してきたら麻結ちゃんいるんだもん。俺びっくり!笑
俺、彼氏いてもいなくても麻結ちゃんのこと絶対手に入れてみせるから、覚悟しといてよ?」

「覚悟しとくもなにも、
由宇以外に興味はありません!!!!!!」
いきなり好きかもとか覚悟しといてよ?って言われて私どうしたらいいんだろう…。
みんな帰っちゃってるし2人きりだし、由宇早く帰ってきて!!


「おい、蓮。」

「ありゃ、彼氏のお出ましだ」

「俺の麻結に手出したらどうなるか分かってんだろうな!!」

「そんなに怒んないでよ、由宇」

2人とも話したこと無いはずなのに
呼び捨てで呼んでる。どうしてなのかな。
そんなことを考えていると由宇に話しかけられた。

「あんなヤツ放っておいて行くぞ。」

「あ、うん。」

私は蓮くんの方をチラッと見てから教室を出ていった。

由宇は教室から出るなりいきなり私の手を引っ張って早足で歩き出す。
それにしても手、痛い…。

「ちょ、ちょっと由宇!
手が痛いよ…。」

「うるせぇ。」

由宇はお構い無しで
私の手を引っ張ってるまま。
怒ってる由宇が怖くて
それ以上何も言えなかった。
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