ディスオーダーⅡ【短編集】
「や、やあ」


 とりあえず返事をしてみる。


「あ。今、声がひきつった。何が起きているのか分かっていないんでしょ?」

「ああ……」


 天使が言うことは当たっていたし、僕は素直にうなずく。


「正直者だねぇ~。ボクはそういう人は大好きだ!」

「あ、ありがとう」


 よく分からないが気に入られたようなので、とりあえずお礼の言葉を述べておく。


「そんな大好きなキミに、この状況の説明をしてあげよう!」


 うん。そうしてもらえると助かる。

 黙って天使の言葉に耳を傾けると……。


「まず、この沼はここに吊るされている彼女の身長と同じ深さだ。なぜかって?彼女を沈めるためだけに作られた沼だからね、当然さ!」


 さらっと言っているけど、とんでもない内容だぞ、おい。
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