without you

「あの・・・。どうして私、なんでしょうか。私は外国語を全然しゃべれないし、まだ４年しか社長秘書の経験はありません。それ以前に事務の仕事もしたことがありませんし」
「そうですねぇ。宮崎は、今まで何度も木戸さんが仕事をしている姿を見ていると思います。そこから木戸さんの仕事ぶりが気に入ったんじゃないでしょうか。外国語が全然しゃべれなくても、経験が浅くてもいいんです。宮崎が求めている職種には、大して影響がないと思いますし。何より、木戸さんには、それらを上回る長所があるからこそ、宮崎は木戸さんという人材が、自分の秘書として適任だと決めたんじゃないかな。私もね、今木戸さんとこうして話をして、社長があなたが適任だと言った理由が、何となくだけど分かりました」
「それは何ですか」
「順応性の高さですね。意外性も十分ある。木戸さんは、咄嗟の出来事にも、機転の利く対応がすぐできるんじゃないですか？」

『おまえに意外性を感じた。採用だ』

・・・あ・・・。