without you
私は腕時計をしょっちゅう見るタイプじゃない。
普段から同じようなルーティーンで生活をしている上に、公共の場に行けば、どこかに時計はあるから、見る必要がないのだ。

私は腕時計を、アクセサリー感覚で使っている。
時間を確認するという実用面より、飾り重視。
つまり、私の思う「デキる秘書」は、ネックレスやピアスやイヤリングやブレスレットじゃなくて、こういう華奢なメタルの腕時計を、アクセサリーとしてつけている、ただそれだけのこと。

ヘンなこだわりだと言われればそれまでなんだけど・・・やっぱりこれ、針が進んでない。
昨日の護身術レッスンで、腕時計つけたままだったからかな。
ということは、たぶん昨日から壊れてたのに、私は気づいてなかったのか。

何となく気落ちした私は、ハァとため息をついた。

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