without you
「どうした。それ、壊れたのか?」
「針が動いてないので、たぶん」
「あぁそう。じゃあ、今出るついでに修理屋に持ってくよ。貸して」
社長はすでに右手を私の方に差し出している。
大きな手。
・・・それより、「いいです」と言うタイミングを逃してしまった。
私は、密かにため息をつきながら腕時計を外すと、社長に「お願いします」と言って手渡した。
「針が動いてないので、たぶん」
「あぁそう。じゃあ、今出るついでに修理屋に持ってくよ。貸して」
社長はすでに右手を私の方に差し出している。
大きな手。
・・・それより、「いいです」と言うタイミングを逃してしまった。
私は、密かにため息をつきながら腕時計を外すと、社長に「お願いします」と言って手渡した。