without you
元カレ(あいつ)がいつ私の居所をつき止めるかと、ヒヤヒヤする毎日から逃れたい。
あいつに私の居場所が見つかったら、またすぐ逃げ出すような人生を送るのは、もう嫌だ。

だから、誕生日プレゼントは毎年「いりません」と断って、社長もそれを承諾してくれていた。
私が本当に望むものを、社長は決して与えることができないと思っていたから。

でも、久遠社長。
あなたは、私が欲しいと思っているもの―――平穏な暮らし―――を、いつの間にか、一部だけでも与えてくれているって・・・気づいてないですよね。
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