without you
「というわけだ。木戸っ!今夜は飲みに行くぞ!」
「予定がありますので、遠慮しておきます」
「またか。ったくおまえは。失恋した上司を慰めてやろうって気はないのか?」
「別に。ないです」と私が言うと、社長はガックリとうなだれた。

「木戸ぉ。おまえ・・・いつも思うがクール過ぎだ」
「社長の場合は、黙っていても、すぐ相手が引き寄せられますから。私が慰める必要なんて、全然ないと思いますよ」

たぶん、来月の今頃には、社長に新たな彼女ができているだろう、という私の予想は外れて。
社長に新たな彼女ができたのは、それから約2ヶ月後の12月始めだった。

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