without you
背の高い社長は、ようこちゃんからマイクを渡されたように、自分で持った。
そして「こんばんは。久遠純世(じゅんせい)です。えー、ここにいらっしゃる女性のみなさんとは、今夜初めてお会いしたばかりで・・・縁に感謝してます。俺を競り落としてくれるあなたのことを、もっと知ることができるから」と言うと、ニッコリと微笑んだ。

キザ。
でも、「さすが久遠社長!」と言うべきか。
ここぞという時は、必ずキメる。

またしても、客席のあちこちから、「きゃぁ!」とか「おぉ!」といった声と、割れんばかりの拍手が湧いた。

< 236 / 636 >

この作品をシェア

pagetop