without you
社長のスピーチのおかげで、場はますます盛り上がってきた。
それにオークションは、社長で最後だし。
「私が久遠さんを競り落とす!」と思っている、社長の彼女予備軍は、何人もいるはず。
だから社長は、私にあれこれ頼むなんて下手な小細工をする必要は、全然なかったのに。

「久遠さん、どうもありがとうございました!そろそろ最後のオークションを始めましょうか!泣いても笑っても、これがラストッ!では1000円から・・スタートぉ!」
「5000円!」
「1万円!」

え?もう1万円!?
始まったばっかりなのに、すごく早・・・。

「100万円」
「・・・え」

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