without you
香港からの荷物か・・・。
聞いてないけど。何だろう。

社長がいる場所にチラッと視線を向けると、やっぱりまだ電話中だった。
しかも私はチラッとしか見ていないはずなのに、問いかけ顔をしている電話中の社長と、なぜかバッチリ目が合ってしまった。

社長って・・・目ざとい。

つい、目と視線にグッと力が入ってしまった私は、「俺を睨むな」と社長に言われる前に、素早く視線を外すと、椅子から立ち上がった。
そして「受付へ行ってきます」とだけ電話中の社長に言って、荷物が置かれている1階の受付へと歩いて行った。

< 25 / 636 >

この作品をシェア

pagetop