without you
「しねえよなぁ」と、わざと大げさな口調で答えた社長は、嘆かわしくて今にも泣きそうといった表情をしている。

なんか・・・楽しい。
こういった、何気ない社長とのやり取りを、私は楽しんでいる。

私たちの視線がまた合った。
自然と私たちの顔に笑みが浮かんで、二人でクスクス笑っていたそのとき、エレベーターが開いたので、私は、慌てて笑みを引っこめた。

まるで、呪文が解けたように。

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