without you
私は、トモちゃんを励ますように笑みを浮かべると、「最後の例えは社長に感化されてるよね」と言った。

「あっ、そーだね」
「それだけ社長のことが好きなんだよね」
「・・・うん」と言って、はにかむトモちゃんには、まさに恋愛している女性の美しさがあった。

誰かを好きになって、その人に好かれる。
両想い、愛し合うことって、本来素晴らしいことなんだ。

塩一つまみ分だけ、感傷的になってしまった雰囲気を払うように、「トモちゃん、本を出版するの?」と、話題を変えた。

< 281 / 636 >

この作品をシェア

pagetop