without you
「きゃ!ちょ・・と社長!?なんですか急に」
「どーこ行ってたんだよ、おまえは!」
「・・・受付と言いましたよね、私。香港の仕立屋から社長宛に荷物が届いてますよ」
「あ?ーーーぁ。もう届いたのか。てかおまえ!荷物なら俺が取りに行ったのに!なぜ俺を呼ばないんだ!重かっただろ?渡せ!俺持つから!」
「え。私のは軽いので。それよりちょっと待って社長!」
「あ?」と社長が、そして「・・・あ」と私が呟いたのは、ほぼ同時だった。

「・・・箱のそちら側は汚れてますって言おうと思ったのに・・・」

社長が着ていた白いワイシャツの腹部に、黒いラインが2つ、うっすらついてしまった・・・。

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