without you
「まずは“侘美寂(わびさび)”を売却する。てかよ、俺が近いうちにそうすると、おまえは分かってたんだろ?」
「・・・薄々」
ミラノの会社を売却後から、社長は香港へ行く回数が増えていた。
だから近いうちに“侘美寂”を売却するんだろうと、予測はしていた。
これが、久遠社長の会社売却のパターンだから。
でも。
ミラノの件も合わせても、社長の「ライフスタイルが変わる」ことの予測はつかなくて。
私に巣食う不安は、なくならないどころか、募る一方だ。
「ミラノの件同様、香港の会社を売っても、設立はしない。あと、ニューヨークとシスコの会社も売却する予定だ。今年中に」
「えっ!?」
さすがに驚いた私は、その表情を隠すことなく社長を見た。
「・・・薄々」
ミラノの会社を売却後から、社長は香港へ行く回数が増えていた。
だから近いうちに“侘美寂”を売却するんだろうと、予測はしていた。
これが、久遠社長の会社売却のパターンだから。
でも。
ミラノの件も合わせても、社長の「ライフスタイルが変わる」ことの予測はつかなくて。
私に巣食う不安は、なくならないどころか、募る一方だ。
「ミラノの件同様、香港の会社を売っても、設立はしない。あと、ニューヨークとシスコの会社も売却する予定だ。今年中に」
「えっ!?」
さすがに驚いた私は、その表情を隠すことなく社長を見た。