without you
「大丈夫です。すみません」
「そうか?ならいいが。おまえは足を怪我してるのに、立ち話させて悪かった」
「いえ。足の怪我は、ほぼ完治してますから」

それを証明するように、私は自分の席の方へ歩きだした。
怪我した足を引きずることもなく、いつもどおりに歩く私の横を、久遠社長がついて歩く。
「いつでも支えることができるぞ」と、密かにアピールしてるように。

でも、社長の支えは一度も必要ないまま、私の席についた。


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