without you
運転手の江上はもちろん、あみかが住んでるマンションの管理人も巻き込んで、こいつを部屋まで無事に運んだ。

象牙色のカーテンをそっと閉めながら、殺風景な部屋だと思った。
必要最小限の家具しかない。ソファもない。
まるでいつでも、すぐにでもここを逃げ出せるような、ある意味潔いとも取れる部屋。
こいつらしいと言えないこともないが・・・。

家族の写真もなければ、絵やポスターも飾ってない。
それらがこの部屋の殺風景さに拍車をかけてるんだろうか。
カレンダーすらないが・・・確かこいつは手帳を持ってたよな。
妙なところで俺はホッとした。

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