without you
そこまで久遠社長に言わせるその人のことが、正直羨ましいと、私は思ってしまった。
・・・でもその人は、社長にここまで想われていることを、たぶん知らなくて。
そして、知ったらたぶん、引いてしまう、と。
なかなか前に進めないと焦る社長の気持ちも、分かる。
だけど・・・。
「社長」
「ん?」
「待つことも、愛情の一つだと思います」
「待つ?」
「はい。“待つ”って“見守る”ことでもあると思うんです。だから、その彼女さんと今まで築いた友人関係を壊さないよう、一気に距離を詰めるんじゃなくて、少しずつ。信頼を得るために。上手く言えないんだけど・・・焦っちゃダメだと思うんです。その人と、末永くおつき合いをしていきたいなら、気長に構えた方がいいというか・・・。その人のことをあまり知らない私が言っても、説得力がないと分かってますが」
「分かるよ」と、久遠社長は呟くと、「分かる分かる」と言いながら何度も頷いた。
・・・でもその人は、社長にここまで想われていることを、たぶん知らなくて。
そして、知ったらたぶん、引いてしまう、と。
なかなか前に進めないと焦る社長の気持ちも、分かる。
だけど・・・。
「社長」
「ん?」
「待つことも、愛情の一つだと思います」
「待つ?」
「はい。“待つ”って“見守る”ことでもあると思うんです。だから、その彼女さんと今まで築いた友人関係を壊さないよう、一気に距離を詰めるんじゃなくて、少しずつ。信頼を得るために。上手く言えないんだけど・・・焦っちゃダメだと思うんです。その人と、末永くおつき合いをしていきたいなら、気長に構えた方がいいというか・・・。その人のことをあまり知らない私が言っても、説得力がないと分かってますが」
「分かるよ」と、久遠社長は呟くと、「分かる分かる」と言いながら何度も頷いた。