without you
お世話になっているのは、私の方なのに。
でも、久遠社長にそう言われて嬉しかった私は、休憩時間、社長と一緒に、そのクッキーを2・3個食べた。

『おいしい!』
『なあ?うめえだろー?』
『はい。社長、ありがとうございます。私、社長には、バレンタインのプレゼントもあげてないのに・・・』
『俺以外の誰かにやったのか』
『え?いえ、誰にも。あげる人がいないって、社長はよくご存知でしょ』
『そっか。そうだったなっ』
『あの・・。社長は、ホワイトデーのプレゼント、用意したんですか?本命の彼女さんに』
『あ?ああ。クッキー。これと同じやつ』
『え!同じって・・・』

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