without you
「またおまえは。クールに俺を突き放す・・・」
「微妙、ですか」
「・・・あ?」
「社長が言われていたことから、たぶんそうかなと思ったんですけど」
「ビミョー、微妙・・・それだよそれっ!おまえの口がな、こう、少しいや、“微妙に”上がってた、って言いたかったんだよ俺は!あぁスッキリしたー。これで今夜はぐっすり眠れる」と言う社長に、「良かったですね。じゃあ私はこちらの仕事に戻ります」と言った。

「おう!俺は処分するスーツを選ぶ」
「はい」

いつもは先に処分をしてから、大人買いをするのに。
やっぱり今回は衝動買いだったのかな。
と思いつつ、私は席に着くと、またパソコン画面に視線を戻してキーボードを打ち始めた。

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