without you
「え。そんな・・・」

社長がわざわざ私用にお土産を買ってきてくれたことなんて・・・今年初めのハワイ以来、二度目。
しかもそれは、当時の彼女だったトモちゃんからせがまれてのことで。
自分から社員にお土産を買うなんて、義理のプレゼントをあげることが嫌いな社長らしくない。

「ちょうどな、おまえにピッタリなもん見つけてさ。もうこれ見た瞬間、おまえのこと思い出したよ」
「・・・なんですか、それ」

いつの間にか受け取っていた丸い包みの中身は、かなり軽いようだけど。何だろ。

「あ・・あけても、いいですか」
「もちろん。おまえんだからな」

どうやら社長は、私が中身を見てからの反応を、とても楽しみにしているようだから・・・受け取りを断るのは、やめておこう。
意を決した私は、包み紙をビリビリ破って・・・目が点になりそうなくらい、唖然とした。

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