without you
・・・いつの間に、お昼を食べる時間になっていたのか。
仕事はほとんど手についてない状態でも、時間は確実に過ぎている。

立川さんとのさっきのやり取りで、なんか・・・このまま逃げ出してはいけないような気になってしまった私は、諦めのため息をフゥとつくと、パソコンを起動させた。
そして、ログインまで済ませてから、社長に電話をかけた。

「あみか」
「・・・久遠社長」

受話器を通して聞こえた社長の声は、いつもどおり、低く、よく通っていて。
それだけで私の心に、安堵感が広がっていった。
涙が出そうになるくらいに。

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