without you
「ま、いいヤツっぽいから安心した。そいつとうまく行けばいいな」
「たぶん無理です」
「なぜだ」
「その人、他に好きな人がいるから」
「なんだよそりゃあ・・・複雑だな、色々」
「そうですね。だけどいいんです。これは私の自己満足っていうか・・別に両想いじゃないけど、その人はいつも、私を護ってくれてるから、って、これも私が勝手に思ってるんですけどね」

言いながら、つい両目に涙がじわっと浮かんでしまった私は、それをごまかすように、中トロの握り寿司を食べた。


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