without you
久遠社長はそう言うと、ゆっくり私の方をふり向いた。
そして、背の高い彼は、見下ろすように私を見ると、ニコッと微笑んだ。
その笑顔は、ちょっと固まり気味に見えるのは、やっぱり我慢してるせい、かな。

私は、衝動的に、また久遠社長のTシャツを引っ張った。
私の方に。思いきり。
おかげで、彼は少しよろけながら、私との距離を縮めることになり。
彼の顔も私の方に、だいぶ近づいた。

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