without you
53
寺井さんが宣言したとおり、翌日の午後には、あいつとかたがついたのだろう。
午後4時過ぎ、寺井さんは純世さん宅にふらりと現れた。
「あれから吉見は転勤になって、海外にいたそうです。そして帰国したのが今年の4月。それからあなたの行方を探し回って、5月の終わりにはつき止めていたそうです」
「そう、ですか・・」
あいつが実際、私に接触してきたのが一昨日の話。
それまでの半月近く、あいつにつけられていたのかと思うと・・・ゾッとする。
自分を護るように、思わず両手で自分を抱きしめる仕草をした私の腕に、純世さんが大きな手をそっと置いてくれた。
午後4時過ぎ、寺井さんは純世さん宅にふらりと現れた。
「あれから吉見は転勤になって、海外にいたそうです。そして帰国したのが今年の4月。それからあなたの行方を探し回って、5月の終わりにはつき止めていたそうです」
「そう、ですか・・」
あいつが実際、私に接触してきたのが一昨日の話。
それまでの半月近く、あいつにつけられていたのかと思うと・・・ゾッとする。
自分を護るように、思わず両手で自分を抱きしめる仕草をした私の腕に、純世さんが大きな手をそっと置いてくれた。