without you
「そうだったな。俺さ、初めてなんだよな。自分専用の秘書を雇ったのも。一緒に仕事しているヤツとフォーリンラブな関係になったのも」
「なっ・・わ、わたしだって初めてですよ!」
「まあ、だからさ。この先どうなるかなんて、俺にも分かんねえけどよ」

・・・別れたいんだ。この人。
結構な勢いで漕いでいたブランコを私は止めると、パッと立ち上がった。

「あみか?」
「もう終わりにしたいって。それを言いたくて、わざわざここまで来てくれたんですか」
「おい」

いつの間にか私の横に立っていた純世さんが、私の腕を掴んで、自分の方に向けさせた。

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