without you
同棲引っ越し作業は、俺とあみかの二人だけで朝スタートし、昼前には完了したのは、彼女の持ち物がすっげー少なかったこと(そこは自他ともに認めている)と、家具や調理器具といった大物・中物は、すでに俺んちにあるから、運ぶ必要がなかったおかげだ。
疲れてるなら外にランチ食べに行こうかと提案したが、あみかは自分で作ると言い、手早く“引っ越し”そばを作ってくれた。
7月の、世間では「夏休み」と呼ばれる暑い時期だから、ざるそばにしようとアッサリ決まったその見た目は、ごく普通のざるそばだ。
実際あみかは、俺んちにあった乾燥そば麺と、めんつゆを使っただけ。
どちらも近所のスーパーで売ってる、ポピュラーなシロモノだ。
キッチンに置いてる、小さな鉢植えのチャイブを使っていることが「特別」と言うなら・・まあ、それでもいい。
だが、あみかが作ったというだけで、なんでこうも美味そうに見えるのか。
しかも、本当に美味いし!
チャイブを刻むスピード、流れるようなフォーム、途切れないテンポ。
そば麺は硬すぎず柔らかすぎず、丁度良い歯ごたえが残ったまま。
さすが料理の仕事をしていただけのことはある。
やっぱあみかが作った料理は、どれも美味い!
「うまいなぁ・・ん?あみか?どうした」
「えっと・・・これに、りんごを入れてもいいかもしれないって」
「は?」
「合わないようで合うかも、ということです」とあみかは言うと、“ニコッ”なスマイル顔を俺に向けた。
またこいつは俺を驚かす!
俺の胃袋どころか、ハートまでわしづかみ状態じゃねえか!
・・・だが、意味はよく分かんなかったが、あみかが良い意味で納得してるようだから・・まあいっか。
疲れてるなら外にランチ食べに行こうかと提案したが、あみかは自分で作ると言い、手早く“引っ越し”そばを作ってくれた。
7月の、世間では「夏休み」と呼ばれる暑い時期だから、ざるそばにしようとアッサリ決まったその見た目は、ごく普通のざるそばだ。
実際あみかは、俺んちにあった乾燥そば麺と、めんつゆを使っただけ。
どちらも近所のスーパーで売ってる、ポピュラーなシロモノだ。
キッチンに置いてる、小さな鉢植えのチャイブを使っていることが「特別」と言うなら・・まあ、それでもいい。
だが、あみかが作ったというだけで、なんでこうも美味そうに見えるのか。
しかも、本当に美味いし!
チャイブを刻むスピード、流れるようなフォーム、途切れないテンポ。
そば麺は硬すぎず柔らかすぎず、丁度良い歯ごたえが残ったまま。
さすが料理の仕事をしていただけのことはある。
やっぱあみかが作った料理は、どれも美味い!
「うまいなぁ・・ん?あみか?どうした」
「えっと・・・これに、りんごを入れてもいいかもしれないって」
「は?」
「合わないようで合うかも、ということです」とあみかは言うと、“ニコッ”なスマイル顔を俺に向けた。
またこいつは俺を驚かす!
俺の胃袋どころか、ハートまでわしづかみ状態じゃねえか!
・・・だが、意味はよく分かんなかったが、あみかが良い意味で納得してるようだから・・まあいっか。