without you
「ワタクシ、“メットワーク”の津島です」
「・・・あ」と呟いた私は、構えのポーズを解くと、津島さんが頭を下げて差し出している名刺が雨に濡れる前に、そっと受け取った。

・・・少なくとも、名刺の写真と、ここにいる人は同一人物だ。
それに、この人が私に嘘をついたところで、何の得にもならないだろうし。

< 75 / 636 >

この作品をシェア

pagetop