ことば 〜 太陽に照らされて 〜
「 どうした? 」
誰かに話しかけられた。
「 え? 」
声が聞こえた方には、こっちに歩いてくる、一人の男子。
あ。
この人、わかる。
ってか、ちょっと気になってる人。
同じクラスだったんだ。
「 どうした?なんかあった? 」
白い歯を見せて、無邪気に聞いてくる。
「 あ、えっと… 今、伊緒ちゃ〜ん って、誰かに呼ばれた気がしたんだけど 」
しどろもどろになりながら、説明。
「 呼ばれた?…ああ、多分、 いまちゃ〜ん って、呼んだんだよ 」
「 え、マジ? 」
その時、タイミング良く 聞こえる声。
「 いまちゃ〜ん 」
本当だ。
確か、今川とか 今田とか、男子にいた気がする。
あたしの表情を見て、白い歯の男子が、また笑う。
「 ほらな? 」
「 うん、どうも 」