魂‐soul‐
そう朔馬はああいう奴だ。
喧嘩しても次の日にはコロっと忘れて笑っている。
裏表がない一方プライドが高かったりもした。
湊が苛められたときは相手をボコボコに殴って、でも逆に倍以上殴られて。
今では懐かしい思い出だ。
十数年一緒にいた仲であるのに間違えるはずがない。
根拠もなにもない。
これこそ勘だが……
あれは朔馬だ。
湊は溜め息をついてゆっくり立ち上がった。
「よっしゃー」
走り出した湊を三人は拡散して避けた。