魂‐soul‐
「往生しろ~」
 
逃げようとした湊の後ろから武流は、がばっと羽交締めをした。
 
「なにすんねん!」
 
笑いながら腕を解こうとする湊の耳元で武流が呟いた。
 
「湊」
 
「え?」
 
あまりにも真剣な声。

だが、空耳かと思った。

腕を離した武流はあどけない表情で笑っているのだから。
 
「次、湊の番な」
 
湊の頭をポンポンと叩くと武流は背を向け走り出した。
 
「武流?」
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