魂‐soul‐
時は刻々と過ぎていき残り五分にさしかかった。

あれから何度も武流を盗み見た。

その度に目が合う。

つまり向こうもこちらを見ているのだ。

アイコンタクトを図ろうとしているように思えた。

明らかに武流はなにかを伝えようとしている。

そもそもこの鬼ごっこを提案したのも武流だ。

もしかたら理由があったのではないか。

鬼の朔馬が雅を追いかけ回しているので、湊はそっと武流に近づいた。

「武流、何か言いたいことあるんちゃう?」
 
「いや…何もない」
 
「けど」
< 112 / 170 >

この作品をシェア

pagetop